第四章 冬 ─ 春へ ─

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「何か、すごく窮屈だったね」 下車後、開口一番に吐き出すと、大島は笑った。 「ホント、窒息するかと思ったくらいにね」 「ははっ!全くだよ。・・・ねぇ、良かったらこのあと・・・あ、ごめん、ちょっと待って、電話だ」 大島は、制服のポケットからスマホを取り出した。 「あれ?先生からだ。・・・・・・もしもし?」 はい。えぇ・・・。と、コクコク頷きながら会話する大島を見ていたら、勝手に笑いが込み上がってきた。 そんなに一生懸命頭を下げても、電話の向こうの相手には伝わらんだろうに。 「えっ!?僕がですかっ!?」 突然、大島が驚きに目を丸くした。 何事かと、こちらまで驚きながら彼に視線を送れば、「でも、僕は一年しか・・・」と、何となく渋った様子を見せながらも、すぐに「ありがとうございますっ!」と、一際深いお辞儀と共に、大島は電話を切った。 「ヤバいよ海月っ!!」 掴み掛るような勢いで、大島が詰め寄ってきた。 「どうした!?」 「卒業式の答辞、僕に頼みたいって、先生がっ!」 「マジで!?すごいじゃん!大抜擢じゃんか!!」     
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