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「何か、すごく窮屈だったね」
下車後、開口一番に吐き出すと、大島は笑った。
「ホント、窒息するかと思ったくらいにね」
「ははっ!全くだよ。・・・ねぇ、良かったらこのあと・・・あ、ごめん、ちょっと待って、電話だ」
大島は、制服のポケットからスマホを取り出した。
「あれ?先生からだ。・・・・・・もしもし?」
はい。えぇ・・・。と、コクコク頷きながら会話する大島を見ていたら、勝手に笑いが込み上がってきた。
そんなに一生懸命頭を下げても、電話の向こうの相手には伝わらんだろうに。
「えっ!?僕がですかっ!?」
突然、大島が驚きに目を丸くした。
何事かと、こちらまで驚きながら彼に視線を送れば、「でも、僕は一年しか・・・」と、何となく渋った様子を見せながらも、すぐに「ありがとうございますっ!」と、一際深いお辞儀と共に、大島は電話を切った。
「ヤバいよ海月っ!!」
掴み掛るような勢いで、大島が詰め寄ってきた。
「どうした!?」
「卒業式の答辞、僕に頼みたいって、先生がっ!」
「マジで!?すごいじゃん!大抜擢じゃんか!!」
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