出会い

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ドサドサとまた、近くから物が落ちる音がした。 誰か居るのか? いや、俺の夢なんだからそんなはずは・・・ ・・・確かめてみよう。 すぐ近くだったはずだ。 俺が通ってきた列の合間の通り道を覗きこむ。 こっちじゃないか。 反対側も覗きこむと、本の山が出来ていた。 棚から落ちたのか、上の方ががら空きになっている。 届かなさそうだ。戻せないな・・・ 取り敢えずこの山をなんとかしたい。 本をばらまいてあるのはいい気がしない。 一体何が・・・ ―――ドサドサッ――― 『ぷはぁッ』 「ッッ!?」 頂上の本を取ろうと手を伸ばした瞬間、山が崩れて中から人が出てきた。 金髪碧眼のイケメンで、身長も高めだ。 顔を見ればただのイケメンだが、格好がおかしい。 古代ギリシャ風の衣装を着けている。 何この変人。 『ん?何で人間がここに・・・?』 「・・・?これは俺の夢じゃないのか?」 『夢・・・?違うよ。ここは僕の図書館だ。 どうやら迷いこんでしまったみたいだね』 「迷いこんだ・・・?」 どういう事だ? でもこの変人の話だと、ここは俺の夢ではなさそうだ。 『変人だなんて。僕は神だよ』 かみ?・・・紙? 『いや、神だよ。紙じゃなくて』 その神か。だからそんな格好しているんだな。 ん?そういえばさっきから俺喋っていない様な・・・
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