33人が本棚に入れています
本棚に追加
第3章 数々の女
同僚の環奈が、好きで付き合っていた人が、尚太君。
そして、付き合っていたと見せかけて、環奈を捨てた尚太君。
「はぁ……」
家に帰ってきても、ため息しかない。
環奈は私が帰る時に、こんな事も言っていた。
『心は、sunsetに行った事ある?』
『えっ?』
正直にうんって言えなくて、返事を濁した。
『もし行った事があるんだったら、宮島尚太にだけは、近づかない方がいい。』
環奈の険しい表情に、ゾクッとする。
『あいつの周りには常に女がいて、あいつに抱かれることを、隙を見ては狙っているのよ。』
一瞬、息が止まる。
『近づいたら、絶対あいつに捕まる。それくらい危険な男。』
環奈に見つからないように、唇を噛み締めた。
まさか尚太君が、そんな人だったなんて。
そして、最後に環奈はこんな事も言っていた。
『いい?心、絶対忘れないでよ。』
『うん……』
『あいつは、女を虜にさせる、悪魔なんだから。』
最初のコメントを投稿しよう!