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開けた草原にて、ガルヴァは己の鞘から黒剣を取り出す。刀身から漂う黒い瘴気は彼の体を包み、気が付けば彼の足元では闇の浸食が始まっていた。草木は枯れ、地は腐り、瘴気を生み出す泥へと変わる。破壊のスペシャリストは、早くもこの地を壊すために侵略を始めている。
けれど、そこに現れる人がいた。
影があればそれを作りだす光があるように、大きな力とは常に対となって存在するもの。破壊騎士ガルヴァを倒さんと駆け付けたのはどこか神々しい雰囲気すらまとっている伝説の強者(ヒーロー)だ。
「一つ、誰より逞しくっ! 炎熱を宿し赤き戦士、レッド!」
「二つ、誰より潔くっ! 氷壁を作りし青き戦士、ブルー!」
「三つ、誰より麗しくっ! 縫合せし桃色の戦士、ピンク!」
「い……五つ、誰より快くっ! 呪緑を生みし緑の戦士、グリーンっ!」
「五人揃って……」
と、赤いヒーロースーツの男が言いかけたが、自分の周りにいる人員を見渡して動きが止まる。
揃っているのはリーダーのレッド、ベテランのブルー、紅一点のピンク、若手のグリーン。四人だけだ。
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