最強の五人組パーティは

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   ――――なんてことにはならなかった。  触れればすべてを分解するはずの斬撃は、ピンクの左手によって受け止められその形を変えていく。瞬く間にビー玉ほどの大きさとなり、彼女の手に収まった。 「もおー、なにぃ? 今SNS中なんだから邪魔しないでほしいんだけど。ほら、返すから」  ピンクがひょいっとビー玉を投げると、それは大きく膨らみ元の斬撃となってガルヴァの鎧に傷をつける。己が放った攻撃で過度に傷つくことはないが、闇の極地である黒き斬撃を難なく受け止め、それを返すなどあり得るはずがない。 「ちょっとグリーンっ、あの黒いの拘束しといてくんない? おーい、聞こえてんのー?」 「……はっ。僕は今まで何を……。えっと、あの敵を捕まえるんですか? わかりました」  そう言って、グリーンは地面に両手をつく。すると、ガルヴァの足元から漆黒の蔦が伸び出て鎧ごと体を縛り付けた。  ガルヴァは反射的に抜け出そうとするが、蔦の強度ではなく織り交ぜられた呪いのせいで力が奪われていく。蔦に奪われた力は呪いを強化するために消費され、拘束対象が力尽きるまで決して終わらない死の鎖といっても過言ではない。
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