0人が本棚に入れています
本棚に追加
「だって憧れるもん!憧れるくらいは自由でしょう?隼は?隼はこういうのに憧れない?」
「いやいや、こういうのに憧れるのは何方かっつーと女の方であって。でもお前のドレス姿は確かに見たいかもしれねぇなぁ」
「えへへー。隼のタキシードも似合うと思うよ!」
いいなぁ、いいなぁ。
ドラマでは幸せそうな主人公カップルが、今正に誓いのキスをしようとしている。何と無く気恥ずかしくて、ドラマだというのに思わず目線を逸らした。
ほっぺが少しだけ熱い。
そんな様子も面白いのか、隼がくすくすと笑う声が目に入った。少しむっとして、其れよりも照れ臭くて。でもやっぱり、何よりも、隼と何時かこんな風に永遠の愛を誓えたらなぁ、みんなに祝福してもらえたらなぁ、なんて思っちゃって。
ちら。
隼の方を少しだけ窺ってみる。
流石幼馴染みというか、分かり易いだけなのか。隼はやさしく微笑んで、今正にライスシャワーって言うんだっけ?その中をブーケを手に歩いていく主人公達を示して問い掛けた。
「オレ等もやるか?今。ごっこ遊びの子供騙しになっちまうけど」
最初のコメントを投稿しよう!