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少年にとってその日は、いつもと同じ朝だった。漁師の父親と共に漁船に乗り、魚を釣りに行くだけの。ただいつもと違っていたのは、船の近くで少女が浮いていた事だったーー。
あんな子、産まなきゃ良かった。お前が産んだんだから、お前が責任持つものだろうが!好きで産んだんじゃない!アンタが産めばいいって言ったんじゃないか!なんだと!?オレが悪いって言うのか?大体、お前がしっかりしないから………
そうだ!名案じゃないか!遠い所に置き去りにすれば良いんだ!よし!…計画はこうだ!…………!へえ、アンタにしちゃあ、良い案だ。そうしようか。
記憶が走馬灯の様に流れてゆくーー
ああ、死ぬのか。死ぬ前に記憶が頭を過るなんて、なんて嫌な終わり方なんだろう。
せめて、最後は真っ暗な闇に包まれて彼の笑顔を思い出して、死にたかった。
ろ……き…ろ! 起きろ!!
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