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何処か分からない場所を走っていると、何かにぶつかった。
「おい、どこみてんだ…って、アンタ確か…」
それは、バンダナを頭に巻いた男だった。
男がこちらを見つめて何かを言い出す前に、楓は勢いよく方向転換して逃げ出した。
「…っておい!!逃げるな!!」
男の大きな声により、船員だろう男達が姿を見せた。
「おい!何叫んでんだ?うるさいぞ、マルク。」
「拾った女の子が逃げたんだよ!」
「なんだって?起きたのか!」
「大変だ、あの人に早く報告しないと。」
男達が話しているのを視界から消すと、楓はあるモノを探して走り続けた。
その時、香ばしい肉の香りが楓の鼻をくすぐった。誘われる様に楓の足は動いた。
アレがあるなら、アレも必ずある筈だ…と。
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