目隠し。

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 末摘 渉。 俺の養子になったせいで弱々しい名字になってしまったが、なかなかの美少年に成長して俺も鼻が高い。 もうすぐ高校を卒業し、トランペットを専攻し大学へ行く。 本人はプロになれるか分からないから、趣味で言いと大学を渋っていたが俺は押した。 『そん時は俺の会社で働けばいいだろ』と。 それが渉を押したのかわからねえが、倍率何倍という名門校に受かったんだ。 才能ならきっとある。本当のご両親ならそれを伸ばしてやれたかもしれねえが、俺には、『すげえ』って感想しか言えないからもっと専門家の元で学んだ方がいいんだ。 むくりと起きて、キッチンのお弁当から卵焼きを一つ拝借した。 甘くてマヨネーズの酸味が絶妙で、あいつは料理の才能もある。 旨いとしか感想が言えないのが申し訳ないぐらいだった。
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