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「胸筋で窒息する!」
思い切り睨まれ、仕方なく布団なしでソファに寝転ぶ。
といっても、ソファで寝た時は布団なんて持ってなかったから、渉がかけてくれたんだと思う。
最近遅めの反抗期なのか、もうすぐ大学生だというのに俺への態度がきつくなった。
「はあ。中学までは一緒に寝ようとか言ってくれてたのになあ」
「おじさん、キモイ」
冷蔵庫から牛乳をコップに移して飲みつつ、テーブルをトントンと叩く。
「いい? お弁当はもう少し冷めてから蓋をしめてね。この前、ご飯が開かなくてぱっかーんてひっくり返したらしいけど、恥ずかしいからやめて」
「おいおーい。誰からの情報だよ」
「一階でいつも誰かしら教えてくれる」
コップを洗って布巾の上に置くと、大きなトランペットの入ったカバーケースをリュックのように背負うと手を上げた。
「じゃあ行ってきます。遅くなるけど夕飯までには戻るから」
「はーい。いってらっしゃい。今日の夕飯は?」
「お肉なしの野菜炒め」
鬼。俺が肉大好きだと知っていてあんな可愛らしくないことを言うようになったんだから鬼だ。
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