夜1

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 未練たっぷりな倫太郎はまだ諦めず、そのまま考え込んでいる。  階段が重たげに軋む音がし、翔がロフトへ上ってきた。 「リン、松岡さんに迷惑かけるなよ」 「そんなことないって」  倫太郎が甘えるように口を尖らせる。その若く整った横顔を、松岡は目の端で静かに捉えた。羨ましいわけじゃない、と自分に言い聞かす。自分に無いものを持つ倫太郎を素直に妬むことが出来たら、入院なんかしていない。  大きな目の割に小さな瞳が、何かを思いついたようにきらめいた。 「ねぇウサギ、試しにそこに座っててくれる? 視線だけ貸してよ」 「見てろって?」  倫太郎は頷くと、再度松岡の股間へ顔を埋めた。
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