夜3

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夜3

 気遣われる側より気遣う側の方が汗をかいている。  息を切らした倫太郎が腰を振る度に、白い腹に腹筋が浮き出た。薄い唇から、くっと息が漏れる。  強い摩擦とともに己の肛門が開いていくのを感じる。襞がぴんと伸びた様を想像しながら、若く美しい男が自分を犯している状況を楽しむ余裕が松岡にはあった。  徐々にだが、硬いもので突き上げられるうちに、初めはこわばっていた中が柔らかく馴染んでいく。緊張感の中に快楽の芽が見え隠れしていたが、項垂れたままの松岡のものは胴回りをいくらか膨らませたのみだ。倫太郎の張りのある白い腹の前で、しなびて黒ずんた自身のそれがゆらゆらと揺れている様は、見栄えが良いとは言い難い。  一旦抜き、動きを止めた倫太郎は、脇に放り出したままのジェルのボトルを手に取った。先ほどは素早過ぎてよく見ていなかったが、中身はもうじき底をつきそうだ。倫太郎が肩で息をつきながら逆さにして振ると、ブブッと酷い音を立てて、残りのジェルが飛び出る。  それを倫太郎は自身へ塗り、残りを松岡の中へ押し入れるように塗り込める。目的を持った指の動きを翔の視線が追い、松岡に羞恥をもたらす。     
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