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町の外れの、煉瓦造の古い小さな一軒家だった。展示場にも、工場にも、売店にも見えない。家の前に立ててある看板には、万年筆、アクセサリーと手書きしてある。
ドラゴンハンターを目指し、ギルドに住み込みでバイトしているクリス少年は、ギルドのマスターとその仲間達に付いてこのペン職人の工房の見学に訪れた。
ここのペン職人の青年は、以前、クリスの居るこのギルドに依頼をした人物であり、幻の虫を捕獲した礼にと、クリスも幻の虫の脚を樹脂加工したピアスを作って貰った事があった。
ペン職人という繊細な技術を用いた数々のアクセサリーは、アクセ業界での評価も高く、この度、彼の作品がアクセサリーコンクールで入選したとの事で、クリス達はその作品を見に来たのだった。
「優秀なハンターになる為には、客がどういった物に価値を見出だしているのかを良く知っておいた方が良い。」
ギルドマスターの言う、この優秀なハンターとは、クリスの目指すドラゴンハンターの事であり、彼もドラゴンハンターの称号を持っていた。
クリスはまだ、ドラゴンというものを見た事が無い。なので今回の工房見学に密かにドラゴンの素材を使った物がある事を期待していた。
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