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「清明先生っ!
メール、見ましたかーっ?」
風に煽られてぱたぱたと翻る白いナース服の裾を押さえながら真由が僕を呼ぶ。
彼女は、僕より先にこの病院で看護師として働いているが、
実はかつて小雪と同じ病室で闘病生活を送っていた子だったのだ!
僕の名前を覚えていたらしく、
「林原先生って、もしかして小雪ちゃんのお兄さん?」
と聞かれたのが始まりで。
聞けば、あの翌年には元気に退院していたそうだ。
僕も、妹の様な子供達を救いたいと医者を目指してここへ来たら彼女にまさかの再会をしたのである。
小さい頃からそのキラキラした笑顔が可愛いなぁと思っていたけど、大人になってからは僕の隣でその笑顔を見せて貰えるのが堪らなく嬉しい。
真由は僕の隣に腰掛けると、ポケットからスマホを取り出した。
「道、順調なら夕方には着くって」
「そーいえば鳴ってた気がする。
全然見てなかったけど」
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