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そこまで言うと、響葉は言葉を詰まらせ、涙を流していた。私と吉田は、響葉に何も声をかけられなかった。私も吉田も響葉がそんなにも苦しんでいたことを知らなかった。
温かい思い出が全部悲しい思い出に変わってしまうなんて、あまりにも残酷すぎるというのに。
「ごめん、やっぱり妃莉のことを思い出すのは辛いや。葵が自殺した日のことも話した方が良いよね。二人には、聞く権利があるから。」
「ありがとう。話したくなかったら、話さなくてもいいんだよ。」
私がそう言うと、響葉は少し安心した顔をして、大丈夫と言った。
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