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水野さんへ ごめんね、私はこうする方法しかもう思いつかなかった。私は、時折相田さんのことを思い出す。温室を見ると、三人で過ごした楽しかった思い出が目に浮かぶよ。そこには先生もよくいたよね。あの時が一番楽しかった。その後がずっと絶望的な毎日だった訳じゃないよ。楽しい日もあった。でも、どうしても罪悪感が抜けなかった。 私は薄々部活で何かあるんじゃないかって気づいていた。だけど、何も聞けなかった。あの時何か聞いてあげてたら、相田さんは今もここにいたのかなと思うと辛かった。水野さんにどうすれば温室を残せるか、相談しようと思ったけど、そんな勇気が私にはなかった。私がこんなことをするってなったら、水野さんは相当怒って私を止めてくれるでしょ? だから、最期まで言えなかった。私も相田さんもいなくなったら、水野さんは悲しむかもしれない。それぐらいは分かっていたんだけどね。 私も相田さんも水野さんのことを恨んでいないよ。むしろ感謝している。私たちが元気ない時に明るく振る舞い、励ましてくれたのは水野さんだった。私たちは、いっぱい元気を貰ったよ。 最終的には、喧嘩別れのように話さなくなっちゃったけど、もう一度だけ高一の時みたいに話したかった。それだけが、心残りかな。 今までありがとう。そして、こんなことを頼んだ私を許してください。 It is the only neat thing to do. 二枚目の紙には、大きく英語でそう書かれていた。 これがたった一つの冴えたやり方……、それが英文の意味だった。 響葉は馬鹿だね、と言いながら泣き崩れた。私も吉田も響葉の横に座り、しばらくの間何も言わなかった。
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