シアンルルのある晴れた日

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       北の大地のコロポックル                         作;ゆら 『やまとの国』のはるか北の果てに、とっても大きな、 雪で覆われた大地があってね。 そこがまだ、『シアンルル』っていう名前で呼ばれてた頃のお話。  このお話の主人公はね、 君も知ってるかもしれない、 ふゆかちゃんっていう名前の女の子。 『シアンルル』っていうところはね、1年中雪が降っていて、 1年のほんの短い間だけ、 春が来るっていうそんな所。 今はちょうどもう少しで春が来るっていうそんな季節でね。 病気がちなふゆかちゃんは、 パパに連れられて、冬休みの間このシアンルルにやって来てるって、 そういうわけ。  今日はね、あんまり天気が良くていつもはずっと 家の中にいるふゆかちゃんだけど、 雪だるまでも作ろうかと、 ふと思ってそれで家の庭に出てきてたの。  寒くないように、 暖かいピンクのコート着て、 暖かい真っ白な手袋はめて、 ふゆかちゃんは一生懸命わき目もふらずに、 その体にあった大きさの雪だるまを作ってたんだ。 自分では、とーても大きな雪だるまをこしらえたとそう思ったんだけど、 いざ立ち上がってみると、 うーんそうでもないかなぁ?
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