シアンルルのある晴れた日

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「二人は姉妹なのかな。」 ふゆかちゃんは、声に出さないようにそう思ったよ。  二人のちっちゃな姉妹らしい女の子たちは、 (けっこうスノボの遊び方みたら男勝りって感じだけど) ふゆかちゃんが見てるのも気づかないでとっても楽しく遊んでる。 ふゆかちゃんも、一緒に遊びたくなって、 自分の出来る一番おもしろい顔をして、 そのスノボの真横の雪の上に ゆっくりすろーもーしょんで うつぶせに寝転がっちゃった。  それを見たちっちゃな女の子たちは、 びっくりして逃げ出す事も忘れて、 顔を見合わせて大笑い。 つられてふゆかちゃんも大笑い。 「ぷはははは。」「あはははは。」  そして、三人は前からのお友達だったみたいに時間がたつのも忘れて ずっと楽しく遊んでたんだって。  ところがね、それを山の一番頂上から見ていた山の神様がね、嫉妬してね。 わしの、山の中で楽しく遊んでるのは、気に入らん。 少し意地悪してやろうってんで、 急に山のお天気を吹雪に変えちゃったから、さあ大変。 突然、雪がものすごく降ってきて、ふゆかちゃんも小さな女の子も、 家に帰ることが出来なくなって取り合えず、 雪よけに木の生えた林の中に逃げ込んだの。
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