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 ポストの中に入っていた何も書いていない大判の封筒の中には、ポストの前にいる私の写真が入っていた。  目をこらして確かめたが、横顔も、着ているブラウスもスカートも確かに私の持っている、それもお気に入りの服だ。  夜にかなり離れた場所から撮ったものらしく、全体にモヤがかかったようになっていて画面もザラついた感じだったが、確かに私の写真だ。  足が震えてくるのを感じながら、私はどこから撮ったのか、それらしい角度に顔を向けた。私のアパートは交差点の角にあるが、その斜向かいの奥まったあたりの別のアパートがそれらしい。  灯りがついてはいるが、遠目からはまるで何も見えない。その暗がりの中で、何かが光ったような気がしたが、目をこらしてもやはり何も見えなかった。  私は震える足を励まして自分の部屋に向った。封筒は投げ捨ててしまった。  鍵を開けるまでの時間がおそろしく長く感じたが、とにかく自分の部屋に入って中から鍵をかけて一息ついいた。  誰がこんなことをしたのか。心当たりを考えてみた。このところネット上で粘着されたような覚えはない。それらしいことをしそうな元カレもいない。  ふとベッドの上を見ると、また上書きのない封筒が置いてある。  いやな胸騒ぎを感じながら、それでも封筒の中身を出して見た。  やはり、ベッドのそばにいる私の写真が入っていた。すぐそばでカメラを構えて撮った写真だ。今の私そのままの服装だ。  私は、写真に撮られた方向に顔を向けた。  誰もいない。  それでもどうにも気になって、写真が撮られたであろうあたりに立って、ベッドの方を見てみた。  ベッドの傍らには私が立っていた。写真そのままのポーズで、私と同じ服装で。  私は、ゆっくりとスマートフォンを出して私に向けた。  
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