冬眠くまさん

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 そして、いいところを見つけました。押入れです。押し入れは布団が入っていてふかふかで狭くて暗くて穴みたいです。そういえば絵本のくまさんの巣もほら穴でした。ここなら、誰にも邪魔されないし、冬眠にぴったりです。  ちいちゃんは押入れに入りました。そして、中に入っていた布団に潜り込みました。襖を閉めると押入れの中は狭くて暗いけれど、とても落ち着きます。お布団もフカフカで暖かいです。ちいちゃんはすぐにウトウトし始めました。  しかし、ちいちゃんは目が覚めてしまいました。トイレに行きたくなったからです。だけど、ちいちゃんは迷いました。トイレには行きたいけれど、布団から出ると寒いのです。ちいちゃんは押入れから出たくないなあと思いました。でも、とってもトイレに行きたい。このままだとお漏らししてしまうかもしれません。  そこで、ちいちゃんは布団から出ないままトイレに行くことにしました。布団を一枚かぶって押入れから出ました。そして、布団をひきずりながらトイレまで行きました。  ちいちゃんはトイレを済まして、押入れに戻ろうとしました。しかし、ちいちゃんは思いました。押入れに戻ってもまたトイレに行きたくなるかもしれない。それならこのままトイレにいたほうが楽じゃないか。布団があれば寒くないし。そう思って布団をかぶったままトイレに戻りました。そして便器に座ったまま寝ようとしました。  しかし、すぐにドアを叩く音で起きました。 「ちいちゃん、大丈夫?おじいちゃんトイレに行きたいんだけど、まだ出られない?」  おじいちゃんもトイレをしようとやってきたのでした。ちいちゃんはしょうがないのでトイレから出ました。 「あれ?ちいちゃん布団かぶってるの?」  おじいちゃんがちいちゃんの姿を見て言いました。  怒られたくないと思ってちいちゃんはその場から走って逃げました。
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