3#遥かなる南のパラダイスを目指して

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 1面の大海原が拡がるその上空。  コアジサシのザジは、リーダーのセスの後を他のコアジサシ達と共に付いていった。  ・・・南の島ってどういう所だろうか・・・?  ・・・とても、素晴らしい夢のような・・・  リーダーのセスは、南の島への誘導よりタグを置いてきた後悔と、あれから口も聞いてくれないキコの事が心配だった。  ・・・キコ・・・ごめんな・・・  ・・・仲間皆を助けるには、こうするしか無かったんだ・・・!  すい・・・  ザジの側に、1羽のコアジサシがランデブーしてきた。  「ザジ、無事だったのね!!」  ・・・あっ・・・?  「お前のパパだ!!ザジ!!」  「パパ!!」  ザジの父のゲゼは、雛の時より精悍になったザジの体つきや翼を宥めるように見た。  「これでお前は、ひとりでもやっていけるね。」  「大丈夫です。それより・・・」  「ママ?ママなら大丈夫だ。胸に、あの時カラスの奴に爪で引っかけられた傷つけられたけどな。」  「パパ・・・」  パパコアジサシのゲゼは、優しく見詰めるとこう言った。  「ところで・・・」  「南の国って、何処に有るのかお前は知ってるの?」  ・・・はっ・・・?!  ザジは、余りにも肝心な事を指摘されて顔が青ざめた。  「それで良く『リーダー』としてやっていけるね?  俺は南の国への行き先を知っている。『リーダー』交代だな?」  ・・・なにそれ・・・?!  父コアジサシのゲゼは、息子コアジサシのザジの前に出た。  「よし、俺についてこい。」  ・・・ちょ・・・ちょっと勝手に・・・!!  ゲゼを先頭にザジが続き、コアジサシの群れは、下に1面の大海原が拡がる大空を飛んでいった。    「あれは、バンドウイルカの群れだ」  「あれはマンタ。」  「おおっ!!ジュゴンが泳いでる?」  「あれはウミガメ?」    「ジンベエザメでけーー!!」  「ホホジロザメこわっ!!」  「わーーい!シャチだ!!シャチだ!!」  「パンダイルカ?可愛い!!」  「あれはスジイルカ?」  コアジサシ達は大海原の中に見え隠れしたり、飛び出してくる生き物達を見掛ける度に、歓声があがった。    「どうだい?!これが『海』だ。海には、いろんな仲間達が住んでいるんだ。」  「うわー逢いたいなあ。一緒に遊びたい!!」
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