3#遥かなる南のパラダイスを目指して

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 「それはちょっとね。魚と鳥は全く違う世界に居るからねえ。  俺らは、『飛ぶ者』。  こいつらは、『泳ぐ者』だ。」  「ふーん。」  すい~~~~っ。  「あっ、カモメさんだ。」  「トウゾクカモメか。この空域に珍しいカモメが飛んでいるもんだなあ。」  1羽のトウゾクカモメがコアジサシの群れとランデブーしてきた。  「よおっ!!コアジサシの皆さん!!」  「あ・・・始めまして。」  ザジは、怖そうな目つきのトウゾクカモメに見つめられて緊張した。  「まあ、リラックスリラックス。  しっかし、まあ・・・こんな時期に渡りかい?  もうすぐここも荒れるのに?」  トウゾクカモメは、怪訝な顔をしてコアジサシ達を心配した。  「だって、仕方無いんだよ。僕たち・・・」  「そっか。そりゃ大変だね。  まあ、気を付けて南の国へ行ってらっしゃい!!  あ、俺、『イラヴ』っていうんだ。  君達は?」  「僕は『ザジ』。」  「俺は、そのザジの父で『ゲゼ』だ。」  「俺はリーダーの『セス』!!」「私は『キコ』よ。」  「はっ!」「あっ!」  いきなり、ザジはキコと目が合ってしまった。    「ふんっ!!」「キコ、まだ怒ってるの?」  「おいおい、コアジサシ同士、旅は長いんだから仲良く行こうぜ?!」  トウゾクカモメのイラヴは、不仲な2羽を、向こう側から迫り来る暗雲を気にしながら宥めた。  ・・・本当に、この時期に海を渡るのは危険な行為だ・・・!!  ・・・でも、このコアジサシ達にそれを言うのは・・・  ・・・ええいっ・・・!!  「みんな!!引き返せ・・・あれっ?コアジサシ達が居ない?!」    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・      
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