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ザジの巣の隣の巣の雛も、暑さを耐えようとして必死になっていた。
「あの・・・」
ザジは、気晴らしに呼び掛けてみた。
「あんた・・・なんなのよ?」
「お互い・・・様だね?」
「余計なお世話ね!!」
暑さでイライラしているらしく、相手はキツい言葉を返してきた。
「くっそぉ・・・!!そんな言い方・・・無いじゃないか・・・?!
よおし、こいつより生き残ってやる・・・!!」
太陽は真上に登り、更にボルテージをあげて親コアジサシを待つ雛達を翻弄させた。
ばさばさばさばさばさばさばさばさ・・・
熱射の上空から、大きな羽音が瀬間ってきた。
「やったぁーーーーー!!」
「ママだ!!」
「お母さんが帰ってきたんだ!!」
ピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピー!!
雛達は、ここぞとばかりに餌をせがむ為に必死に鳴いた。
かーかーかーかーかーかーかーかーかー!!
「違う!!」
「きゃーーーーー!!」
「危ない!!」
やって来たのは、親鳥ではない。
どす黒く獰猛な1羽のカラスが、コアジサシの雛達を狙ってやって来たのだ!!
ピーピーピーピーピーピーピーピーピーピー!!
かーかーかーかーかーかーかーかーかー!!
獰猛なカラスは、鋭い鉤爪を差し出して次々と雛を襲撃してきた。
「このぉ!!」
雛に付き添っていた親コアジサシ達は、侵入カラスに渾身の力を込めて立ち向かった。
ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!ギシシ!!
かーかーかーかーかーかーかーかーかー!!
どかっ!!
「くそっ!!全く歯がたたん!!」
父コアジサシ達は、力の差で苦戦を強いられた。
「ぴぃぃぃ!!」
「うわーーーーっ!!1羽やられた!!」
雛達は目を覆った。
その時だった。
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