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コンビニではちゃんとあったかいココアを買って貰った。あと、ピザまん。その他にも買っても良いと言われたけれど、それ以上なんて元から欲していないので、この二つで良いとイルは言った。
試合後の買い食いは久しぶりで、これが最後になるのかと思うと寂しく、ピザまんを食べるペースも遅かった。
そんなイルの隣で、幸隆は肉まん二つをペロッと平らげ、缶コーヒーを飲んでいた。けれど、試合後の身体には物足りなかったのか、足りないと呟き、前方にあったさっきとは違うコンビニへと一人入って行ったのだった。
そして、コンビニ袋を手にして戻って来た幸隆は、外で待っていたイルにイルが大好きな苺の形をしたチョコを渡してくれた。
『これ、好きだろ?』
そう言われ、イルはココアで温かくなった身体を更に温かくし、こくっと頷いた。
「じゃ、クリスマスに」
幸隆は自分の家を通り過ぎ、イルの家の前まで送ってくれた。そして、そうイルに言った。
「うっ、うん。17時にツリー前ね」
「あぁ……」
「幸隆……?」
バイバイ。そう言おうとしたイルだったけれど、それが言える顔を幸隆はしていなかった。
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