第7章 新たな波乱

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 イルは幸隆が何かを言いたそうな顔をしているのが分かり、家の門の前で止まる。 「二十五日……本当にお前の気持ち……教えてくれるのか?」 「え……?」 「ま、まぁ……分かってるけどな……お前が俺の事どう想ってるかなんて。でも、お前がその日に答えを出すつもりなら、俺はその日の答えに従うつもりだ」 「幸隆……」 「それが、どんな答えでも……俺は受け入れる」  幸隆はそう言うとイルの冷たい頬にそっと触れ、その頬にちゅっと優しくキスを落とした。 「愛してる……」  その唇は名残惜しそうにイルの頬から離れると、幸隆自身も静かにイルから離れていった。  そして、幸隆は一度も振り返る事なくそのまま家へと帰って行った。 「幸隆……」  イルは幸隆にキスをされた頬に触れ、小さく幸隆の名を呼ぶ。そして、早くクリスマスが来るのを待ち遠しく感じながら、静かに家の中へと入ったのだった。 「ただいま……」  家の中は静かだった。家政婦も誰もいないようだ。でも、階段の上からルイの声が聞こえて来て、イルの名を呼んだ。
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