第8章 白いワンピース

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 でも、ルイがこっちに帰って来て増えた物がたくさんあるらしく、壁には同い年の友人だろうか、外国人の男の子や女の子と写った写真がペタペタと張ってあり、楽しそうな生活を写していた。  それに、あっちで取ったのだろう、英語で受賞が書かれたトロフィーもずらりと並んでいた。  その他にも日本では売ってなさそうな物が所々あり、この短期間でルイの部屋は昔の部屋と変わりつつあるのを感じた。 「あのさ、あんたヘアーアレンジできるよね?」 「え? うん、できるよ。編み込みとかフィッシュボーンもできる」 「やっぱりね。あんたならできると思ったのよ」 「ルイしたいの?」 「うん! 可愛くして!」 「分かった。今、道具持ってくるね。そのドレッサーの椅子に座ってて」 「はーい」  イルはルイに頼まれた事が嬉しくて、急いで部屋に戻り、自分がいつも使う道具箱を持ち、ルイの部屋へと戻った。そして、イルに言われた通りに椅子に座るルイの背後に立ち、ルイにどんな髪型にしたいのかを聞いた。  するとルイは、イルにスマホを見せ、こんな風にと言ってきた。それを聞き、イルはそのままの通りになるよう取り掛かる。 「ルイ、昔から髪の質良いよね。ロングにしても癖もなくストレート」 「そう? なら、日本のシャンプーがいいのよ。あっちのシャンプー使ってた時は、毎日ゴワゴワで何度も切りたくなって大変だったから」 「そうなんだ」  普通な会話。姉弟らしい会話。そんな些細な事にイルの顔が綻ぶ。
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