第8章 白いワンピース

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 まさか、ルイの髪の毛をアレンジする日が来るとは思ってもいなかった。  昔はショートカットで女の子らしい事が嫌いだったルイだから、こんな風に髪の毛がロングになるとは想像もしてなかった。 「伸ばすの大変だった?」 「大変、ちょー大変。今までずっと短かかったから肩に髪の毛が付くのもサワサワして嫌だったし、ようやく肩下になったと思ったらシャンプーが悪いのかゴワゴワして広がるし……練習の時結ぶの面倒臭かったし」 「そ、そうなんだ」  確かに、シャンプーやトリートメントによって髪質は変わるとイルも痛感している。イルも安い物じゃなくて高い物を使っているから、今の質を保つ事ができていた。 「でも、私みたいなガサツな女……女として見られるには髪の毛を伸ばすしかないから……」 「え……?」 「女性と思わせる事が、私が髪を伸ばした理由だから……」  それは誰に? そう、聞きそうになったが、それが誰の為にかなんて聞かなくても分かるので、イルは聞かなかった。 「部屋にあった白いワンピース……」 「え……?」 「あれ着て出掛けるの?」  そう問われ、コクッと頷いた。
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