第9章 もう止まれない

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 何度も、何度もルイの名前を呼んだ。  辺りが暗くなっても、声が掠れても、喉が渇いても、ドアの前で叫び続けた。 「お願い……開けて……」  何で今日に限って誰もいないのだろう。両親は共に出張で帰って来る事はないし、使用人も朝に来たからもう今日は来ない。  ほんと、自分の運の無さに何度も涙が流れる。 「もう夜だ……っ」  窓の外が暗くなり、もう、幸隆との待ち合わせ時間から数時間過ぎた事に気付いたイル。その瞬間、イルはルイのベッドの上で丸くなって泣いた。  今頃、もしかしたら幸隆はルイと……なんて思うと、どうしてもっと早く幸隆に自分の気持ちを告げなかったのかと、後悔ばかりが込み上げる。 「泣いてんの?」 「!」  すると、突然声がした。男の声だ。 「大輝……」  イルは暗くなった部屋のドアの方を向き、そこに大輝がいつのまにか立っている事に気付いた。  そして、慌ててドアの方へと向かい、外に出ようとした。 「待って。行かせない……」 「大輝!」  でも、それを大輝に阻止されて、イルは元いたベッドへと突き飛ばされ、大輝に覆い被さられた。 「ちょっ、どいて!」 「どかない」 「やっ、……大輝ッ!」  大輝はイルの着ていた服を捲し上げ、露わになったピンクの乳首に唇を這わそうとする。  そんな大輝の頭を掴んで剥がそうとするが、体格差があり、剥がれない。 「おねがい……やめてっ……」  イルは震えながら大輝に何度もやめてと告げる。  こんなのされたくない。幸隆以外となんて嫌だ。そう、大輝に告げた。
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