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何度も、何度もルイの名前を呼んだ。
辺りが暗くなっても、声が掠れても、喉が渇いても、ドアの前で叫び続けた。
「お願い……開けて……」
何で今日に限って誰もいないのだろう。両親は共に出張で帰って来る事はないし、使用人も朝に来たからもう今日は来ない。
ほんと、自分の運の無さに何度も涙が流れる。
「もう夜だ……っ」
窓の外が暗くなり、もう、幸隆との待ち合わせ時間から数時間過ぎた事に気付いたイル。その瞬間、イルはルイのベッドの上で丸くなって泣いた。
今頃、もしかしたら幸隆はルイと……なんて思うと、どうしてもっと早く幸隆に自分の気持ちを告げなかったのかと、後悔ばかりが込み上げる。
「泣いてんの?」
「!」
すると、突然声がした。男の声だ。
「大輝……」
イルは暗くなった部屋のドアの方を向き、そこに大輝がいつのまにか立っている事に気付いた。
そして、慌ててドアの方へと向かい、外に出ようとした。
「待って。行かせない……」
「大輝!」
でも、それを大輝に阻止されて、イルは元いたベッドへと突き飛ばされ、大輝に覆い被さられた。
「ちょっ、どいて!」
「どかない」
「やっ、……大輝ッ!」
大輝はイルの着ていた服を捲し上げ、露わになったピンクの乳首に唇を這わそうとする。
そんな大輝の頭を掴んで剥がそうとするが、体格差があり、剥がれない。
「おねがい……やめてっ……」
イルは震えながら大輝に何度もやめてと告げる。
こんなのされたくない。幸隆以外となんて嫌だ。そう、大輝に告げた。
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