第10章 二人の熱量

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 こんな顔、見れる日が来るなんて……ほんの一時間前の自分には想像できなかった瞬間だ。  だから、イルはお口でのご奉仕を頑張った。  やり方なんて分からない。上手くできてるかも分からない。でも、幸隆が感じてくれる事だけを考えたら口が動いた。 「はぁ……ンッ…ちゅ……ちゆ…ちゅっ……」  竿を下から上へとツーっと舐め、二つある玉の片方を口に含み、コロコロと転がす。そして、亀頭に口を移すと、それを口に含んで舌先でペロペロッと舐め始める。  そうすると、幸隆のペ◯スがピクピクッと小さく動いた。 「やば…ぃ……出る……」 「ンッ! あっ……」  出る。そう言った幸隆が、イルの頭を掴んで無理矢理離そうとした。でも、それは遅かったようだ。 「んっ……」  顔が離れた瞬間。イルの顔に幸隆の熱い迸りが掛かってしまった。その結果。顔射される事になった。 「! わ、悪い! こんなつもりは……」  それを見た幸隆は、近くにあったティッシュ箱から数枚のティッシュを引き抜くと、イルの顔を慌てて拭いた。  でも、イルは口元にまだ残っていたそれをペロッと舐めてしまう。 「!?」 「……初めて舐める味」  苦くて生臭い感じ。それは、イルが一番苦手とする味だった。でも、それが幸隆のだと思うと不思議と嫌では無かった。 「なっ、なんでそんなの舐めたんだ! ペッしろ!」 「やだ。幸隆のだもん。本当は飲みたかったのに……」 「の、のみ……」  幸隆はイルのその発言に顔を赤く染めた。そして、出したばかりのそれをまた元気にさせる。 「……また口でする?」  それを見て、その先端をツンツンッと優しく突いてそう幸隆に言ったイル。  でもそれは幸隆がさせなかった。
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