第10章 二人の熱量

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 今度はお前の中で---そう、幸隆がイルに告げたからだ。その言葉に、イルは嬉しそうに微笑んで、コクッと頷いた。 「よかった……」  幸隆はそう言うとイルの頭を優しく撫で、うつ伏せに寝て欲しいと言ってきた。その言葉に、ようやく自分は幸隆に抱かれるのだと期待に胸が膨らんだ。  でも、イルは幸隆が言ったうつ伏せには寝なかった。 「イル……?」 「こうがいい……」  仰向けになって正常位でしたかった。  ちゃんと、幸隆の顔を見てしたかった。だから、イルは仰向けに転がった。 「でも、初めてはバックからの方が楽って書いて……」 「でも……こうが良い……」  例え痛くても、苦しくても、幸隆の顔を見てしないと意味が無い。  幸隆に抱かれている。そう、目で、耳で感じたい。 「ちゃんと…幸隆の顔を見てしたいっ……」  イルは自然と込み上げた涙を一粒流し、そう幸隆に笑みを向けて伝えた。  すると、幸隆はごくっと喉を鳴らし、イルにそっと覆い被さる。 「い…良いのか……?」 「うん……」 「俺のこんなんだぞ……」  そう言って、幸隆はイルにまた猛ったペ◯スを触らせた。それは、さっきよりもカチカチになってる気がした。  でも、それでもイルは自分の言葉を翻す事はしなかった。
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