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「ふふっ。そんなの分かってるよ……だって、口でしたばかりだもん」
だって、幸隆のそれがどれだけ硬くて太くて獰猛か、イルはもうさっき口で体感しているから分かっている。
だから、労りなんていらない。
「っ……はぁー……俺お前には一生勝てない気がする……」
「?」
その言葉はどう言う意味だろうか。
僕に勝てない? そんなの、こっちの方なのに。
「僕はずっと……」
「ん?」
「幸隆に勝てた事なんか無いよ……」
出会った時からずっと、幸隆が放つ言葉で何度も救われた。今の自分があるのも幸隆のお陰だ。
---別に、変じゃねーよ……可愛いじゃん。
あの言葉を言ってくれたからイルは好きな事を、好きな物を、ちゃんと好きだと言えるようになれた。
周りに何を思われても、一番大好きな人が、嫌われたく無い人が、そう言ってくれたからありのままの自分でいられた。
そのお陰で、大切な友達もできた。
「幸隆がいなかったら……僕は……今の自分じゃいられなかったよ」
だから、だからね……。
「ずっと、僕の側にいてくれてありがとう……愛してる」
答えを告げず、ずっと広い心で側にいて、隣にいてくれた幸隆。愛想を尽かすタイミングなんてたくさんあったのに、それでも一途にこんな自分を想い続けてくれた。
〝愛してる〟そんな言葉を言える時をくれた。
「っ……イル」
「ンッ……アアッ---!」
幸隆は、もう無理だ。そう小さく呟くと、イルの両太腿をガシッと掴むとそのまま強引に左右に開いた。そして、自身の身体を前のめりにして体重を掛けると、イルの柔らかいそこに切羽詰まったそれを当てがり、グッと前に腰を進めて中へと挿入した。
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