第10章 二人の熱量

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 その痛みは想像以上だった。  柔らかいのは最初だけで、その奥はまだまだ狭くて蓋をしているかのように硬く閉ざされていた。 「うっ……ぁ……」 「ハァ…アッ……ンンッ…んっ……」  未開通のそこは、女の処女と同じように幸隆のペ◯スをなかなか中へと進ませない。  幸隆も苦しそうな顔をして、息も荒かった。 「すご…キツイな……ハァ…抜く…か……?」  でも、それだけは絶対に嫌で、イルはふるふるっと頭を左右に激しく振った。 「や……抜かな…で……っ」  この痛みさえも嬉しいと思っているイルにとって、このまま辞められる事だけはして欲しくなかった。  繋がりたいのだ。初めてのセ◯クスで。 「イル……」 「おねが……このまま…このまま……ンッ」 「イル…イ…ル……」 「ひぐっ! アッ…ああ……」  幸隆はイルが言った通りに奥まで挿入してくれた。その瞬間、イルは背中を仰け反り、痛みと嬉しさにたくさんの涙を流した。 「イル……っ」 「ゆひ…ち…か……ぁ」 「イル……」  でも、涙を流したのはイルだけじゃ無かった。  幸隆も泣いていた。
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