第10章 二人の熱量

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 でも、駄目だと言って幸隆がそう簡単に辞めるわけがない。 「アッ、ハァアッ……ンンッ……」  幸隆はイルが駄目だと言うのに、そこを触れるか触れないかの部分を器用に突いて来て、それに善がるイルの反応を楽しんでいた。 「ここ……」 「やぁ、イッちゃ…イッちゃう……っ」  まだイキたくないのにこんな時に意地悪な幸隆が現れ、イルを追い込む。 「突いて欲しいんじゃないのか……?」  なんて言って、イルが求めるのを待っている。でも、まだ言わない。絶対に言わない。 「ま…まだ…や……」 「そんなに……やだ?」 「う…ん……っ」  今そこを突かれたら、たぶんきっと意識が飛んでしまう。今だってギリギリの状態で理性を保つのも必死だ。 「らって……まだ…んっ…ハァ……このままでいたい……よ……っ」  幸隆にまだこのまま激しく抱かれていたい。  一分でも一秒でも、長く肌を合わせていたい。 「おま…そんな事……」 「ンッ!? アアッ!!」  イルが言った言葉に、幸隆が一瞬息を止めたのが分かった。それは、射精を堪えたからのようで、一瞬緩んだ腰付きがまた再度激しく動き出し、イルを追い込み始める。 「俺が……っ……持たない……」 「やっ、アッ、アッ、ンアッ、ひあぁっ……」  幸隆は息を荒くして腰を振る。  その必死さに、イルはもう夢中だ。  幸隆のこんな顔を見たのは自分だけ。  これからも、ずっと、この先も……。そう思うと、イルの我慢も限界に達した。 「アッ、も、だめっ……突いてッ……そこっ、んっ、ゆきひかの……ゆき…ひかので…ついてぇ……ッ…あっ……」  もう、どうなっても良い。
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