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そのプレゼントがこの紙袋の中に入っている。
「おっ、噂をすれば」
「!」
「噂ってなんのだよ……」
「ゆっ、幸隆っ!」
背後から幸隆の声がして、イルは勢い良く背後を振り返った。すると、そこにはランニング終わりの幸隆が鼻を赤くして立っていた。
「今、幸隆の話ししてたの。イル、幸隆と別れたいって」
「!」
当然、何故か分からないがルイが幸隆にそんな事を言った。それは、幸隆の反応を楽しむ為のようで、ルイの顔は今まで見た事がないほど意地悪そうにニヤニヤしていた……。
「それ、イルが言ったのか?」
「いっ、言って……ンンンッ!?」
肩を引かれた。そう思った瞬間に覆い被さられるように幸隆から深いキスを与えられ、イルは一人パニック状態に陥り、持っていた物を全て下に落としてしまった。
それくらい深い深いキスだった……頭も働かない。
「わーお。ディープ」
「ンッ、ンンッ……ッ」
幸隆はルイが見ているのにも関わらず、キスの加減を緩めようとはしなかった。いや、返ってそれが煽る形になっているのか、幸隆は時折こっちを見詰めるルイを睨み付けるように視線を送り、邪魔をするなとその目で訴えていた。
「ゆひちあ……ッ……はぁ…はぁ……っ」
唇が解放されたと思ったら次は力強い抱擁。もう、されるがままだ。
「嘘でもそんな事を言うな。いくらルイでも許さない……」
そう言って、幸隆はルイを睨み付ける。
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