第2章 幼馴染と姉と僕

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 勝敗は数分後には決まり、最後のフライはルイがジャンピングをして取り、ルイの初試合は華麗なる白星で終わったのだった。 「勝ったっ! すごーいっ!」  イルは勝った瞬間その場で立ち上がり、ぴょんぴょんっと飛び跳ねた。  それくらい嬉しかった。  けれど、試合が終わって直ぐにルイが幸隆に抱き付きに行ったのを見てピタッと動きが止まる。  いいな---そう思ったからだ。  そんなイルの気持ちなんて知らないルイは、幸隆にイルの存在を教えられたのか、こっちに向かって手を振って来た。  それに応えるイルだったが、内心ではそんなルイが羨ましくて泣きそうになる。  男のくせに野球もできない軟弱な自分が悔しい。  走ったら直ぐにこけるこの細い足が憎い。  でも、どうしたってそれを変える事はできない。  人には向き不向きがある。そう思うから……。 「仕方ないよね……」  自分に向いている事はこの姿。  可愛い物に包まれたこの姿こそが、自分なのだから。 「……僕にはできないもん」  今になって男らしくなんてできない。  男らしい男になんてなれない。  それはずっと、永遠に……。
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