第2章 幼馴染と姉と僕

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 でも、そんな事はできない。このままずっと繋いでいたい。 「腹減った……どっか寄るぞ」 「え? あ、うん」  イルは自身の天邪鬼さに嫌気がさした。  ここで自分の心に素直になれば、何か変わるのかもしれない。  幸隆に〝好き〟だと告げれたら、この心の中にあるモヤモヤが消えるのかもしれない。  でも、ルイの顔がチラついて何も言えない。 (あ……)  イルはふとガラス窓に映った自分と目が合った。そこには、男の子と女の子が手を繋いでいる姿が映っていた。  男の子は幸隆。そして、女の子はイル。  ガラス窓に映る二人はどう見ても男の子と女の子。でも、現実は違う。 (もう少し……このままでいたいな……)  この時間がもっと増えるのなら、イルは一生この姿のままでいたい。そう思った。  偽りのこの姿を、幸隆の隣にいる為に。
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