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そのせいで危険な目に合う事も増えた。
同級生だけではなく、高等部の人達からも声を掛けられる事が増えたのだ。
それが一番難だった。
断るのが大変。
「昨日、高等部の奴に告られたって本当っすか?」
「そうだけど。なんで大樹が知ってんの?」
「えー。俺が知らない事ってないっすよー」
そう言って、ヘラヘラと笑う大樹。その顔を見て大樹に言った人間に気付く---ルイだ。
「ルイから聞いたんでしょ? ……いつの間にそんなに仲良くなってんの?」
「ヤキモチっすか? 嬉しいなー」
「違う!」
ルイと大樹が仲良くなったのは、大樹がイルに告白したのをルイが聞いていたからだ。
その日から大樹とルイは仲良くなり、事ある毎にイルを大樹とくっつけようとする。
大迷惑だ。
「危なくちゅーされる所だったって聞きましたけど、ちゃんと阻止しましたー?」
「当たり前でしょッ!」
イルは後ろを付いて来る大樹の方を向き、そう叫んだ。
キスなんてしてない。あと、数センチでされる所だったけれど、ギリギリで助けに来てくれた。
「それ助けたのってあの男なんすよねー。それが俺的には気に食わないっす」
「いっつもそれ言うけど、なんで大樹はそんなに幸隆が嫌いなの?」
幸隆をそう言うのは大樹以外で聞いた事はない。
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