第3章 秘める心

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 ルイからではなく、幸隆の口から直接聞いて、自分の進路もそろそろ決めたい。  イルは幸隆が何処の高校に行こうとも後を追う決意を固めた。 「高校? そんなのお前と同じ所に決まってんだろ」 「え……?」  けれど、幸隆の返答はイルが思ってもいなかった返答だった。 「で、でも、色んな所から声が掛かってるって聞いたよ! 強豪校の監督が幸隆を欲しいって言ってるってくに君も言ってた!」  イルは幸隆のユニホームを無意識にぎゅっと掴み、上目遣いで幸隆にそう言う。すると、幸隆はまたさっきと同じ顔をして、呆れたように溜息を吐く。 「確かにそれはあった。でも、金積まれてもレギュラー確実って言われても、俺はもう行く場所は決めてたからその話しは全て断った」 「そ、そうなの?」 「あぁ」 「でもなんで? 高等部はそこまで野球部強くないはずだよね?」  高等部の野球部は、甲子園に行けるほど強くはない。最高成績は地方大会で準決勝に進んだくらいで、決勝までは行けていない。  だから、一番甲子園から遠ざかっている高校とも言えた。 「幸隆には甲子園に行って活躍できる力があるんでしょ? なのに……なんで高等部みたいな弱い所に……」  勿体ない。そんな言葉がイルの口から溢れた。
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