第6章 決意と阻害

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 でもまさか、離れていた数年でこんなにも身長に差ができるなんて……イルもルイもお互いに驚きの事だった。  これだとイルとルイが双子なのだと簡単には信じてくれないだろう。  身長に差が開くとこんなにも顔も違ってくるとは……昔は同じ顔が並んでいるように見えていたのに、今は顔のパーツは似ているかな? くらいにしか見えない。それほど、イルとルイの顔は微妙に変わった。  しかもルイは、イルとは違って美人に育っていて、多分立って並んだら足の長さが一際目立つほどスタイルも良く成長していた。  肌は薄っすらと小麦色に焼け、前よりも女性としての魅力が増していた。 「イルもこれくらい伸びてると思ってたんだけどなー。まさか私だけこんなににょきにょき伸びてたなんてさ……結構ショック」 「はは……僕もショック」  隣に並んだら自分のスタイルの悪さに嘆いてしまいそうだ。それに……。 「ねぇ、幸隆立ってよ」 「はぁ? 今?」 「うん! ほらっ、1分で良いから!」 「はぁー……ほらっ」  そう言って、幸隆は嫌そうにその場ですくっと立った。その隣でルイも勢い良くザッと立ち、自分と幸隆との身長差を背伸びしながら自身の手で測り出す。 「わぁー、こんなに差があるんだ! 幸隆おっきくなったねー! 身体も逞しくなってー、男の身体って感じ」  ルイはそう言いながら幸隆の逞しく鍛えられた上半身を触りだす。
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