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その速さはリアルタイムをテレビで見ていたかのような速さで、なんで海外にいるルイが幸隆の所属チームや何位指名かを知っていたのかずっと気になっていた。
まさか、イルが電話するよりも速くにメールして来た子がいたとは……幸隆の注目度は自分が思っていたよりももっと高いのかと、イルはここでまた痛感させられるのだった。
「メアリーは私のその喜び具合を見て、何があったの? って聞いてきてね。それ聞いて私、思わず幸隆の写真見せて、私の幼馴染が野球選手になったんだって自慢しちゃったー。ふふっ」
ルイはそう言うと、幸隆の腕にぎゅーっと巻き付き、その時の喜びを身体で表現し始めた。
「そしたらメアリーってば、あぁ、ルイの恋人ね、だって。そんなのまだ違うって言ってたのに、私がいつも幸隆の事話してるから、その時もいつもと同じように笑いながら揶揄って来て、酷いよねー」
そう言って、ルイは豊満になった胸を幸隆の腕に当て、胸元がざっくり開いたシャツでそれをアピールするかのように自身の腕でその胸を寄せた。
それを見て、イルは自身の薄っぺらな胸をそっと見る。
当たり前だがそこに豊満な胸など存在しない。
「ねぇ、幸隆。私、可愛くなった?」
「突然なんだよ……」
「だって、私結構イケてる女になったと思わない? あっちでも結構モテたし、昔はつるぺったんだったおっぱいも今はこんなにも大っきくなったし……」
そう言いながら、ルイは上目遣いで幸隆を見詰め、自分の女の部分を全面的に出し始めた。昔のルイはこう言う女らしい部分を出すのが苦手で、女扱いされる事を嫌っていたはずなのに、今、目の前にいるルイはそんな事1ミリも感じさせる事は無いほど、女を醸し出していた。
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