第7章 新たな波乱

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 こんな事、幸隆には知られたく無い……そう思うと尚更、幸隆の方が見れなかった。  試合は幸隆が入っていた赤チームが勝利した。でも、イルは幸隆の高校最後の試合を全く見ずに終わってしまい、いつの間にか終わっていた状況になってしまった。  隣に座る愛永はそんなイルの変化に気付き、大丈夫? と心配そうに聞いて来る。 「イル、体調悪い? 顔色悪いよ?」 「え……? あ…大丈夫だよ。ただ、試合に集中し過ぎて……」  そう答えると、愛永は「なら良いけど……」そう言って少しだけ納得してくれた。 「幸隆ぁー! お疲れー!」  試合が終わり、選手全員が挨拶をしに観客席へと近付いて来た。その中に勿論幸隆はいて、ルイは選手達と会話をしながら近付いて来る幸隆に気付くと、大きく手を振ってここにいる事をアピールしていた。  それに気付いた周りの選手達は、そんなルイを見て幸隆を囃し立て始めるのだった。 「おいー! 何だよあの子! 幸隆のこれ(彼女)か?」 「違う」 「嘘だー。あんなに両手振ってお前の事呼んでるんだぞ! 健気だなぁ。つーか、可愛い!」  選手達はルイの容姿を見て頬を染め、幸隆の代わりにルイに向かって手を振り返していた。それを見て、ルイも満面の笑みでまた大きく手を振り返す。 「ヤバッ。可愛過ぎる。誰なんだよあの子! 紹介しろよ!」 「イルの双子の姉だよ」 「イル君の? あー、確かに似てる! でも、イル君とはまた違う感じで可愛いなぁ。俺、お姉さんの方が好みかも」 「あ、そう……」  幸隆はチームメイトの身体を離し、スタスタとルイではなくイルの方へと向かって来てくれた。
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