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私は即座に感知した情報を報告する。
「不法侵入者が四名近付いてきます。入口のセキュリティーは今、物理的に破壊されました。ここにいれば二分後に接触します」
すると、すぐさま博士は私の腕を引き庭の奥へと走り出した。
背後から足音が響き渡り、声が聞こえてくる。
「マージ博士! いるんだろう? 大人しく彼女を寄越せ! お前一人でちんたら研究していては隣国に遅れを取るだけだ! 悪いようにはしないから、彼女を渡せ!」
その声の主は、距離は近いもののまだ私たちの居場所を把握できていない。
博士と私はひたすらに走った。
「ああ……やっぱり戦闘型のアンドロイド、購入するべきだった。だけどどうしても、トラウマがなあ……」
「博士、プレゼントを」
「分かった、とにかく後で」
私たちは植物園の端へ到着した。
大きなカシの木の裏に、ラベンダーの鉢植えが並んでいた。それらを避けると、地下へ続く階段が出てくる。この情報は私の履歴には無かった。
「ここを出よう。早く中へ」
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