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そう言って博士は私の手を引く。だが、私は拒否しそこから動かなかった。
私は女型ではあるが、アンドロイドなので博士の力など容易に抗うことができる。
「嫌です。私はここから離れる気はありません。私が必要とするのは、この研究所、そしてプレゼントです」
「ゼロワン、お願いだ。言うことを……」
そのとき、パシュ、と小さな音がして、博士は倒れた。
私は振り返る。
そこには、先程二台のワゴンで私たちを追っていた四名の男が立っていた。
中心で銃を構えている男。黒のスーツ。煙草の匂い。頭髪が薄くなっているが、横の毛を流すことでそれを隠そうとしている。名前は、そう。サハラ。そして、ロイズ、リリアム、ダン。
「おいで、ゼロワン」
中央の男が優しげな声で言う。私は四人に近付いた。
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