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「……ゼロワン!」
博士が倒れたまま、苦しそうに叫ぶ。
私は銃を構える男――サハラの前に向かい合った。
「ああ、いい子だ。大丈夫、マージ博士の子を手荒に扱ったりしないよ。さあ、これから政府の……」
そこまで口を開いたところで、私はサハラの右手を掴んだ。そこに握られた、小さな銃を見つめながら聞く。
「これは?」
「ああ……ごめん。すぐにマージ博士を手当てしよう。慌てていたもので、済まなかった」
私はサハラの右腕を捻り、その銃を奪うと、四人に向かって弾を撃った。
四発の弾は全て人体の急所を撃ち抜き、四人は数秒で絶命した。私はその遺体の上にそっと銃を返す。サハラの顔は、信じられないといった困惑の表情で固まっていた。
「D-479ですね。私は戦闘型ではありませんが、銃の形状を見ればその型と操作方法はインプットされているので使用可能です」
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