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ーーある日、いつもと同じように習い事を終えて歩いて帰っていたときのことだ。
幸「あれ?」
帰り道の途中の神社で満開の桜を見つけた。
でも、今の季節は冬、桜が咲いているはずがない。
私は桜が咲いている神社に目を向けたまま立ち止まった。
桜が気になる。
・・・でも早く帰らないといけないから。
私は足を一歩踏み出して。
ーーピタッ
たち止まった。
「・・・」
少しだけなら大丈夫かな。
私は振り向いて桜を見上げた。
ーーフワッ
すると、一枚の桜の花びらが舞い降りて来た。
ーーこちらへおいで
まるで、私にそう囁いているかのように。
・・・・・少しだけなら。
私は桜に導かれるように身体を回転させて、ゆっくりと神社へと進んでいく。
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