鬼ごっこ

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幸「暗くてよく見えない」 来たときよりも暗くなっていたので、ゆっくりと慎重に下りていく。 ーートン ーートン ーートン 下りていけばだんだん街の家の明かりが見えてくるはずなのに、何故か全く見えない。 幸「停電かな?」 私は深く考えずに歩き出した。 でも・・・ 幸「なんで・・・」 階段を下りきって街の方向へ歩いていたはずなのに、周りの建物は木で出来た建物ばかり。 マンションやデパート等の見馴れた建物はひとつも見当たらない。 それに電柱もなく、地面はアスファルトではなく土だった。 幸「いったいここはどこ?私はただ、神社で満開の桜を見つけたから少し寄り道しようと思っただけなのに・・・」 もう何がどうなっているのかわけが分からず、私はただ茫然と立っている事しか出来なかった。 どのくらい茫然と立っていただろうか、二分?三分?あまり時間が過ぎていないはずなのに一時間近く立っている気がした。 幸「・・・寒い」 夜風に当たりすぎてすっかりと身体が冷えてしまい、私が肩をさすっていると後ろから気配を感じた。 ーーバッ
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