変わり始める日常

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ーーー ーーーーー 幸「どうぞ」 床に落ちていた書類を纏め終わり、土方の机の上に置く 歳「ああ」 しかし、土方はひと言しか口にしなかった 礼くらいまともに言えないのかゆ そう思いつつも、立ち上がって襖に向かう さすがにずっとここにいるのは嫌だからな 主に土方の野郎がきせるを吸ってるせいで、部屋中煙だらけなのが原因だけどね 歳「どこにいく」 襖に手をかけたところで、土方が睨みつけてきた なんだ? 幸「外ですけど」 歳「何しに」 幸「休憩です」 歳「俺は仕事をしているんだが」 幸「別に私がする事は何も無いですよね」 そう言い返すと、土方は口をつぐんだ 書類集め、または書類を分けるのをさせるのならまだしも、私に書かせるわけにもいかないじゃん 歳「・・・」 土方が何も言い返さないのを見て、部屋を出るために襖を開く そして外へ一歩踏み出した瞬間 歳「茶」 後ろから声が聞こえてきた たったのひと言だけど、土方がお茶を持ってくるように言っているのは分かった まあ、初日に言われたからすぐ分かったんだけどね というか、土方はそんなに私を休憩させたくないのか 自分だけ働いているのが気にくわないのか 別にどっちでもいいけど 幸「分かりました」 それだけを言うと、私は後ろ手で襖を閉め、台所へと足を動かした
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