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ーーそれから 私は全てにおいて完璧にこなし、感情を表に出さずに常に笑顔でいるようになった。 相手の感情に素早く気付き、相手の思い通りに動く。 いつしか・・・・・私は感情を失った。 いや、自分自身で感情を殺したというべきか・・・。 いつまで自分に感情があったのか・・・それすらも忘れた。 そんな私をみて、両親は喜び、褒めた。 同級生や先輩、先生達も私を褒めた。 「さすが私の娘だ」 「いつも凄いね」 「さすがだな!幸」 「いつもお前のおかげで私は鼻がたかいよ」 「いやー  さすが蓬来家の娘ですね」 あの頃とはあつかいが全く違う。 あぁ・・・ 私は常に完璧でいなければならない。 やっぱり、感情(・・)なんていらないんだ。 そう思い始めた。
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