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ほどほどに自己紹介も終わり、各々が自由に料理を食べ進めるようになった頃だ。
「村ちんてさ、どんな小説を書いてるの?」
僕のちょうど前に座るギャル改め木村葵が話しかけてきた。
ちなみに僕のあだ名は名字が西村だったことから村ちんで落ち着いた。
「それ、私も気になる」
清水美香子も同調する。先程の自己紹介の途中で田淵が「西ちゃんは学生兼小説家で、一冊本を出してるんだぜ」と茶々を入れた時からずっと気になっていたようだ。
「書いてたっていっても小さな携帯小説サイトの中でだよ。ほんとマイナーなとこ」
「えー、でもすごいよ」
「うん。私ぜんぜん書けないと思うもん」
二人の反応を見るに、あまり活字が好きなタイプではなさそうだ。まあ、仮に活字ジャンキーだったとしても携帯小説は結構ニッチな部類に入るだろうから、どちらにせよ僕のことなど知らなかったに違いない。
「でもでも本を出してるんでしょ?」
「それはそうだけど、色んな人が書いたものをまとめた短編集みたいなものだよ。その中にちょろっと載っただけ」
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