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このご時世、大概の小説サイトがそうだろうが、定期的に大小さまざまな小説賞を発表している。
その中の一つに応募した作品がたまたま運良く評価されて、本になった。
その賞の中でも、僕の作品は大して目立つわけでもなく、凖審査員賞というぱっとしない成績だった。
「あー、だめだめ。西ちゃんはいつもそうやって自分を過小評価する。自分が書いたものが本になって世に売り出された。それは事実なんだから、もっと威張らないと」
田淵の言葉に江島たちも頷く。そんなものなのだろうか。
「それでそれで、どんな話を書いたの?」
葵が目をキラキラさせながら聞いてくる。派手な見た目に似合わず文化系の趣味を持っているのだろうか。それとも小説家(のはしくれだけど)という人種に初めて出会い、好奇心から聞いてきているだけなのだろうか。
なんいしても悪い気はしなかった。
「ええと、色が見えなくなる病気の男の子の話っていえばいいのかな」
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